TOP > バックナンバー > Vol.11 No.7 > 先進のディーゼル噴霧・燃焼技術
河合ら(1)は「ディーゼル噴霧火炎における初期燃焼過程に関する研究」と題した講演を行った。全般的に細かい解析が多い中でSANDIA研が先行し、今回同志社大が検討したリフトオフ長(セットオフ長) に関する解析が、ディーゼル燃焼の基本に関する重要な項目に感じられる。もちろんリフトオフ長だけでは噴霧燃焼全体の概念には届かないが、導入された空気量を推定しζst(理論空燃比の何割の空気が着火までに導入されたか)を出すことができ、これが噴霧、噴霧燃焼の全体としてのメジャーになる可能性がある。各々のディーゼル燃焼の研究者が自分の経験した夫々の場でのζstを出してみて何との(例えばNOx、PM、Soot、燃焼期間等)相関がどの程度あるのか? 目標とするζstを実現するには、どの変数(物理量)をどの程度変えればいいのか? を検討して何の実験、研究をしたらよいかを判断すべきと考える。今後の進展に期待したい。
Masatoshi SHIMODA (JSAE ER Editorial Committee / former Hino Motors, Ltd. Technical Research Center)