TOP > バックナンバー > Vol.11 No.1 > 6 新エンジン・システム
松田(日産)ら(6-1)は「PHEV・HEV用エンジンの排気低減システム開発」と題して講演を行った。地球環境を守るため、内燃機関にはクリーンで高効率なHEV用エンジンのニーズが高まっている。排気有害物質のPNは、エンジンの低水温時や再始動時に多く排出される。HEV用エンジンは、コンベンショナル(CONV)エンジンに比較し作動時間が短く、始動回数が増加するためPN悪化が懸念される。そこで、本HEV用エンジンには、排気低減の観点からPFIながらGPFを搭載し、GPF再生前にHeat up mode(図6-1)を追加している。このGPFの追加により、PN排出量を80%削減したと報告があった。
篠原(トヨタ)ら(6-2)は「新型3気筒1.5Lガソリンエンジンシステム開発」と題して講演を行った。すでに量産化されている2.5L、2.0Lに続き、高速燃焼によるEGR限界拡大と高圧縮比の基本コンセプトは踏襲し、統一技術による燃焼モジュールに基づいた開発を行っている。2.0Lからの主な変化点は、3気筒化による排気ガス干渉抑制を利用した出力確保や、小型車ニーズによるコストバランスを考えた燃料噴射システムの変更(DI+PFI ⇒ CONVはDIのみ、HEVはPFIのみ)等である。これによりCONVでは、熱効率40%、比出力62kW/L、HEVでは熱効率41%(図6-2)、比出力46kW/Lを達成したと報告があった。